Diary of Morocco 2023

ベニワレンの始まり、モロッコへ。

2023年3月初旬に、モロッコへ行ってきました!
3月のモロッコは比較的快適な気候といわれており、最高気温は22~25度。とはいえ、最低気温は10度~ということもあり、それに備えた服装も準備していざ、モロッコへ。

UAEで乗り継ぎ、モロッコの首都ラバトまではトータル約24時間。到着した空港付近の景色はさほど「モロッコ感」は無く殺伐とした印象を受けつつ…。街中へと進む中で、イメージしていたモロッコの景色が段々と見えてきます。

首都・ラバトの街並み。【首都・ラバトの街並み】
南仏のような雰囲気も併せ持つ、不思議な街並み。【南仏のような雰囲気も併せ持つ、不思議な街並み】

モロッコという国

モロッコはアフリカ北西部に位置し、面積は日本の約1.2倍。

大西洋と地中海に面しており、サーフィンの国際大会が開かれる有名な海岸も。国の中央には東西を走るアトラス山脈、南にはサハラ砂漠といった広大な自然が広がる国です。

街中はフランスのような街並み・建物が見られますが、少し車を走らせるとアフリカらしい土壁のような家や、羊を放牧する景色が目に入るように。ヨーロッパのような街並みも素敵ですが、昔ながらの生活が垣間見えるそんな景色も、とても良いものです。

ベニワレンを織るベルベルの女性たち。【ベニワレンを織るベルベルの女性たち】

旅の目的

今回のモロッコの旅は、あらためてベニワレンについて知ること。ベニワレンをつくるベルベルの女性たちに会うこと。そして、その暮らしを少しでも感じること。
もちろんバイヤーとしての仕事も忘れていませんが、現地に行き、現地の人に触れて感じることを、今後の買付においても大切にしようと思い、モロッコに向かいました。

大皿に盛られたクスクス。【大皿に盛られたクスクス】
朝食や軽食としても登場する、丸く大きなパン。【朝食や軽食としても登場する、丸く大きなパン】

知るためには、まずは食!

モロッコの代表的な料理をご存じでしょうか?“世界最小のパスタ”とも呼ばれる「クスクス」がそのひとつ。日本で言う“炊き込みご飯”のような感じ。砕いた小麦を蒸し、肉や野菜と一緒に煮込んで食べられることが多いです。タジン鍋も有名ですね。タジンとクスクスを同じものだと思っていたのですが、厳密に言うと別物。ただ原理は同じで、鍋の中で蒸気が広がり、蓋の内側についた水蒸気が下に落ちることで蒸し煮ができるというもの。水をほぼ使用しなくても食材がしっかり柔らかくなる、という仕組み。まさに水の乏しい地域・砂漠の民の知恵が詰まった料理と言えます。

クスクスもタジンも、先住民族ベルベル人がルーツ。そう、ベニワレンのルーツでもある、ベルベル人です。ベニワレンとベルベル人については、またのちほど。

さて、モロッコ料理のクスクスですが、一緒に煮込む具材は変わるにしても、だいたいどこに行ってもこのクスクスでおもてなしをしてくれます。日本人にも合う味わいでとても美味しいですが、あくまでパスタ。かなりおなかが膨れます。

ナッツやオリーブの実、パンやはちみつ、ヨーグルトなど。【小屋の外に敷かれた素敵なラグの上で】
ナッツやオリーブの実、パンやはちみつ、ヨーグルトなど。【ナッツやオリーブの実、パンやはちみつ、ヨーグルトなど】

独特のおもてなしも、食で!

ベルベル人が暮らす村を訪れた時。ちょうど昼食時ということもあり、小屋の外(中庭のようなスペース)に敷いたラグの上で食事をしようということに。そんなとき、必ず出てくる食事というのが、パンケーキのような丸いパンです。たしかオートミールの・・・と言っていたような気がするのですが、詳しくはわからず。そのパンにはちみつをつけたり、そのまま食べたり。とても食べやすくおいしいのですが、こちらもかなりボリュームが。談笑しながら楽しく食べ終わり、次のところへ向かおうとしたところ、「じゃあランチへ行こう!」と。もう食べられないと伝えると「これからランチなのに食べないとかあり得ない」とのことで、クスクスのレストランへ。こちらのクスクスにはうずらの玉子まで入っていてボリュームは言うこと無し。最後はケーキまで登場。とてもありがたく美味しかったのですが、さっきのパンは何だったんだという気持ちは消えません。

ただ、これが「おもてなし」とのこと。訪ねてくれたゲストにはできる限り、精一杯のおもてなしをする=一緒に食事をする。どこに行ってもそんなもてなしを受けるので、とてもあたたかな人たちであることはとてもよく伝わります。余談ですが、帰りの飛行機での最初の食事もクスクスで、さすがにもう食べられませんでした。

どこまでも続く大地。遠くにはアトラス山脈。【どこまでも続く大地。遠くにはアトラス山脈】

ベルベル人とベルベル語

モロッコの公用語はアラビア語とベルベル語、そしてフランス語です。言葉からもわかるとおり、モロッコは様々な歴史を経ており、現在の人口は大半がアラブ人、そしてベルベル人が占めています。過去にはスペインとフランスに領有されていた歴史があり、それが言葉や街並みにも反映されています。また、アラブ語についてはアラブ人からイスラム教が広まり、その普及によって多くの地域で使用されるようになりました。

そしてベルベル語。アマジーグと呼ばれることもあるこの言語は、実は公用語として認められたのはわりと近年の話で、道路標識や看板でもまだ多くは見られません。「ベルベル」という呼称はネガティブな表現とされる場合も。ベルベル人は自身のことを「アマジーグ(自由人)」と表現します。ただ現代では「ベルベル」という言葉が定着しているので、ベルベル人と呼ぶことにします。

ベルベル人が暮らす地域。【ベルベル人が暮らす地域。羊が放牧され、のどかな時間が流れる】
ベルベルの村へ行く途中で迎えた日の出。【ベルベルの村へ行く途中で迎えた日の出】

ベルベルの村にて

さて、そのベルベル人の住む村へ。首都ラバトから車で2時間程度、山を越えてぐんぐん田舎の方へ。見える景色がどんどん「アフリカン」な雰囲気へと変わっていきます。朝早く出発したので、山の途中で日の出を迎えました。この時期のモロッコの日の出は遅く、8時頃に太陽が顔を出します。ベルベルの村は見渡す限りの大地と空。そして広い大地に羊が群れとなって暮らしています。そこにポツリポツリと並ぶ小さな家が、ベルベル人が住む家。伝統的な家の造りは昔から変わっておらず、壁には羊の糞と土を混ぜて乾燥させたものを使用。家の中には釜土があり、ここであのパンケーキのようなパンを焼きます。だいたいの家が三世代ほどで暮らし、子どもたちも大勢。ふいに訪れた日本人がよっぽど珍しいのか、大勢で後をついてきます。そしてそれぞれの自宅内、もしくは自宅そばの小屋にベニワレンの織機があります。織機を前に一人で織る人もいれば、数台の織機を横並びに何人もの人が織っているところも。

ダイアモンドデザインのベニワレン。【ダイアモンドデザインのベニワレン】
アマジーグデザインが描かれた皿。【アマジーグデザインが描かれた皿】

ベルベル人とアマジーグと、ベニワレン

ベニワレンとは、ベルベル人のベニワレン族が織る手織りのウールラグのこと。ベニワレン族は細かな部族に分類され、それぞれでベニワレンの仕上がりは変わってきます。基本的にはナチュラルなウールを使用するため、羊の個体によって白だったりキナリ色だったり、少しブラウンがかっていたり。そしてデザインとして一番に思い浮かぶのは、「ひし形のダイアモンドデザイン」です。ダイアモンドデザインはアマジーグデザインのひとつ。豊作や家内安全などを意味します。

モロッコはタジン鍋やモロッコグラスといった器・食器類も有名ですが、その器にはアマジーグのペンダントをかたどったデザインが描かれていたりと、アマジーグデザインはとても身近です。ちなみに、アマジーグデザインはベルベルアートとしても世界中で注目されています。そしてベニワレンが一躍有名になったのは、フィンランドの建築家、アルヴァ・アアルトが自邸やアトリエで愛用したことがきっかけとも。

縦糸をかける作業は一旦、小屋の外で行う。【縦糸をかける作業は一旦、小屋の外で行う】
代々使用されてきた織機。【代々使用されてきた織機】
慣れた手つきで黙々と織り続けるベルベルの女性。【慣れた手つきで黙々と織り続けるベルベルの女性】
縦糸に横糸を結びつける。これがなかなか、難しい。【縦糸に横糸を結びつける。これがなかなか、難しい】

ベニワレンを織ってみる

ベニワレンの織機を前に、ベルベルの女性がコツコツと一段ずつ紡いでいる様子を見ていて、「なんだかできそうな気がする」と好奇心がむずむずと。基本的には、織機にかかった縦糸に対し、横糸を引掛けてぐるりとまわし、毛糸を表に出したところで毛先をカット。その結びの連続でベニワレンが仕上がっていきます。

ベルベルの女性にお願いし、やってみることに。まずは縦糸2本を取り、片方にぐるっとくくりつけ、もう片方の縦糸にぐるり。そしてそれをカット・・・と思いますが、そううまくいきません。どうやら縦糸への巻きつけ方が逆だと。何度かやり直し、毛糸を切るところにたどり着いたものの、ナイフで毛糸をカットしたことが無いためそれすらも一度ではうまくいかず。ベルベルの女性の作業は流れるようで、それは見事。スッスッとこなし、あっというまに次へ。
結びが終わると、鉄の櫛のようなもので結び目を下に詰める作業を行います。鉄の櫛をガンガンと下に打ち付ける作業。「それならできる!」と挑むも、これもなかなか…力加減やバランスがあるらしく、初挑戦でうまくできるものではありませんでした。
ただ、3結びほど織ったので、世界のどこかで私が挑戦したベニワレンが使われているかもしれない。そう思うと、なんだかとてもワクワクします。

目の詰まった、ムーリルト。【目の詰まった、ムーリルト】
ムーリルトの織り目。【ムーリルトの織り目】
全体的に染色をした、ブジャド。【全体的に染色をした、ブジャド】
モロッコキリムとも呼ばれる、ザナフィ。【モロッコキリムとも呼ばれる、ザナフィ】
カラフルな端切れでつくられた、ボ・シャルウィット。【カラフルな端切れでつくられた、ボ・シャルウィット】
個性的なデザインの、アジラル。【個性的なデザインの、アジラル】
アジラルの織り目、縦の結び目に間がある。【アジラルの織り目、縦の結び目に間がある】

地域で異なるベニワレンと、その種類

ベニワレンは横どうしの結び目が細かい方が良いのは当然ですが、縦に対して結び目が詰まっている方がより細かで上質なラグとなります。ラグの裏を見て上下の結び目と結び目の間が詰まっている方がより細かなラグ、ということです。ベニワレンとは部族名ですが、地域名でもあり、ベニワレンで織られるベニワレンラグは目が細かく、上下の結び目も詰まっているものが多いと言われています。また、ベニワレンの中でも細かな部族に分かれており、地域や部族によっても特徴は異なります。

「ムーリルト」
ムーリルト地域でつくられるもので、裏の結び目の間がほぼ無く、縦にも横にも目が詰まっています。見た目にも重厚感があり、織りの細かさがよくわかります。ベニワレンは元々、目が細かなラグであり、現在の「カミセット」という地域で作られていたと言われています。基本的にはひし形のダイアモンドデザインがメインですが、象形文字のようなデザインやドット柄、リボンのような柄など、一言でベニワレンと言ってもそのデザインは様々で、同じものはひとつとして無いのも魅力です。

「ブジャド」
こちらも地域名ですが、全体にカラーが入ったラグが多く、裏を見ると結び目と結び目の間が広めのものが多いとされています。

「ザナフィラグ」
使いやすさでいえば、平織りのザナフィラグ。こちらもウールのラグですが、パイルの無い平織りでつくられ、「モロッコキリム」と呼ばれることも。中には赤や緑といったカラーが入っているものもありますが、今はモノクロやブラウン系のものが多く、シンプルで使い勝手の良いラグです。

「ボ・シャルウィット」
なかには、服の端切れを使った、ボ・シャルウィットというラグも。ボ・シャルウィットはウールラグに比べれば歴史が浅く、遊牧生活から定住生活へと移り変わった際に、着なくなった洋服を再利用してつくられるようになりました。華やかで個性的なラグが多く、G.E.Mでは取り扱いがまだ少ないのですが、目を引くデザインがあれば買付けるようにしています。

「アジラル」
アジラルという地域でつくられるもので、無染色のウールとカラフルなデザインを合わせたラグが特徴。ブジャドよりもさらに裏の結び目の間が広いものが多いとされます。

ベルベルの村の女性。顔にはアマジーグデザインのタトゥー。【ベルベルの村の女性。顔にはアマジーグデザインのタトゥー】

ベルベルの女性たち

ベルベルの村へ行く途中、道の脇でパンやスープを食べさせてくれる、ドライブインのような場所がいくつもあります。(ドライブインと言っても、外のテーブルで注文したものを食べる、オープンな場所。)そこで出会ったおばあさんの顔に、タトゥーが入っていました。写真では見たことがありましたが、実際に見たのは初めて。おそらくですが、この方はベルベル人で、顔にアマジーグデザインのタトゥーを入れているのです。眉間や顎に、ベニワレンにも描かれているような連なるひし形の絵柄が。

なんとなく、聞いてはいけないような神聖さを感じ、おばあさんには聞けなかったのですが、「圧倒的な格好良さ」がそこにはありました。このタトゥーは、おばあさん世代にしか見られず、おそらく50~60代ぐらいまでの女性たちには見られませんでした。あくまで今回の旅で出会った方たちの中でですが、そういう部分でも時代で変化しているのかもしれません。
ベルベルの村に着いても、そこで出会ったおばあさんの顔にはタトゥーが。にこやかな笑顔で迎えてくれるおばあさんのその顔もまた神々しく、圧倒的な格好良さ。(入れたときは痛かっただろうな、何歳で入れたのかなとも思いましたが、なんとなく聞けず)

たくさんのショップが並ぶアーケード。【たくさんのショップが並ぶアーケード】
青い空と白い建物。歩くだけでも楽しいスーク。【青い空と白い建物。歩くだけでも楽しいスーク】
スークでもベニワレンやザナフィを購入できる。【スークでもベニワレンやザナフィを購入できる】

モロッコ余談:スーク

スークとは、「市場」のこと。モロッコの各街に存在し、雑貨や食材、伝統工芸品やお土産などが売られています。ベニワレンやザナフィなど、なんならラグもこちらで買えちゃいます。有名なのはマラケシュのスークなのですが、スケジュール的にそこまで行けなかったので、ラバトのスークへ。規模はそこまで大きくありませんが、国中の品物が揃っているので見ごたえは充分。青い空と白壁の建物、色鮮やかな果物など、見ているだけで楽しくなります。“まとめてお土産を探したい”という人におすすめです。

たくさんのカゴたち。【たくさんのカゴたち】

モロッコ余談:モロッコは雑貨の宝庫

スークにも雑貨はたくさんありますが、ちょっとした家具やカゴをもっとたくさん見たい!ということで足を延ばした場所。いくつも建物があり、その中で器や椅子、テーブル、ランプなどがたくさん。今回は特に仕入れをしていませんが、ノベルティとしてそういったちょっとしものをチョイスしても良いかもしれませんね。

スークで出会った、洒落たねこ【スークで出会った、洒落たねこ】
ブジャドラグの上でくつろぐ、ねこ【ブジャドラグの上でくつろぐ、ねこ】

モロッコ余談:ねこの国

これはもう、圧倒的に。ねこの数が多い!外を歩いていると、そこらじゅうにねこがいて、逃げるでもなくのんびりと過ごしている光景を目にします。モロッコにはカフェも多いのですが(何時でもたくさん人がいて、悠々と過ごしている)、テラス席には必ずと言っていいほど、ねこがいます。よく見ていると、お客さんがパンをちょっとちぎってねこにあげていたり、余ったものをそのままあげたり。滞在したホテルでは、ねこがロビーの回転ドアを通って出てくる姿も。モロッコの人からすれば、そこにねこがいるのは当たり前で、「あ、ねこがいる!」なんてことすら思わないのです。大きなおなかで昼寝をするねこ、観光地でじゃれあうねこ、ラグの上で寛ぐねこなどなど。ねこが好きな方にもおすすめの国です。

街には礼拝の合図が流れる。【街には礼拝の合図が流れる】

モロッコ余談:イスラム

モロッコの多くの人はイスラム教徒です。イランなどと同じく、礼拝(サラート)をしたりラマダン(断食月)があったり。運転中でも、「ちょっとお祈りしてもいいかな」と車を停めスマホで方角をチェック。さっとラグを広げ、おもむろにお祈りを始めます。街には礼拝の合図が流れ、景色も相まってなんともエキゾチックな雰囲気を感じます。そういえば、飛行機の中でもお祈りをしている人を見かけました。

800年の歴史を感じる、ハッサンタワー。【800年の歴史を感じる、ハッサンタワー】
ハッサンタワーの門番。ずっとここから動かない。【ハッサンタワーの門番。ずっとここから動かない】

モロッコ余談:観光地

モロッコには観光地がいくつもありますが、今回の旅で寄れたのは1カ所だけ。ラバトの中心地にある、「ハッサンタワー」です。1195年に建築が始まり、途中で君主が死亡したことで建築はストップ。大地震にも見舞われ、現在は塔と200本の支柱だけが残り、現在の形になったと言われています。88mになる予定が44mの未完成の塔ですが、広大な広場に佇む塔の姿は見ごたえ充分です。なんといっても800年以上前の建造物。歴史を感じます。

同じ敷地にはムハンマド5世(フランスからの独立を勝ち取った王様)の霊廟があり、真っ白なイスラム建築が目を引きます。本来であれば中に入れるようですが、この日は入れず。残念でした。

他の洗濯ものと一緒に干された、ヴィンテージベニワレン。【他の洗濯ものと一緒に干された、ヴィンテージベニワレン】
素朴な一家団欒。【素朴な一家団欒】
一つの場所で集まり、ラグを織る。【一つの場所で集まり、ラグを織る】

モロッコから感じる、格好良さ

モロッコに滞在して感じたこと。それは、「ルーツや歴史とともにある格好良さ」でしょうか。日本で生まれ育つとなかなか気づかない感情かもしれません。なんだか難しい表現になってしまいますが、生まれ育つその場所がルーツで、自分自身もその歴史のひとつであり、無理に抗うような姿が見られない。「足るを知る」にも似ているような。

子どもが生まれれば子を背負ってラグを織り、その脇で子どもを遊ばせながら糸を紡ぐ。家の前に茂るミントの葉でお茶を飲み、80年ほど前のヴィンテージベニワレンは無造作に洗濯され干されている。複雑な歴史の中で、祖先が残してくれたもの・受け継いだものを大切にする姿勢が、子どもからお年寄りまで感じられます。「モロッコって可愛い!」なんて思っていたけれど(もちろんそれもあるけれど)、断然、格好良い。

広大なアフリカ大陸の北にある、小さな国。そこで長い時をかけて紡ぎ伝えられてきた、ベニワレンやモロッコラグ。今では世界中のバイヤーから注目され、憧れられるインテリアアイテムとなりました。それって本当に、すごいことだと思います。そしてそんなラグを仕入れ、日本でたくさんの方に紹介できること。こんな素晴らしいことはないなと、あらためて感じています。

自分の目でしっかりと選んだベニワレンを、これからもお届けしたいと思います。これを機に、ベニワレンに興味を持っていただけたら、なおさら嬉しいです。